先週のことになりますが、マリンスキーバレエ団のガラ「マリンスキーのすべて」を鑑賞して参りました。
幕開きのショピニアーナ、ソリストはもちろんですが群舞の美しさは圧巻、オーケストラの演奏も清らかで素晴らしく、その完璧な美の世界はまるで夢を見ているようで、涙が出そうになりました。詩人のパリッシュの完璧な容姿にもうっとり。ああ、バレエはなんて美しいのでしょう!
続く第2部は、マリンスキーの現在ということで、古典とネオクラシック作品のミックスでした。私たちも踊ってきた、馴染みのあるハンス・ファン・マーネン、今回は「ソロ」という作品でしたが、今まで見た中で最もクラシックに踊られたマーネン作品は逆にとても新鮮で、その爆発的なエネルギーが素晴らしかったです。今話題の日本人ダンサー、永久メイさんの海賊も観ることが出来ました。若干18歳にしてあの度胸と完成度、これから沢山の経験を通してどんな風に成熟していくのか、これから目が離せなくなりそうです。2部の最後、タリスマンは、シャキロワさんのエネルギーもすごかったですが、キミン・キムさんの見事な跳躍には立ち上がってしまいたいほど大興奮でした。
そして最後のパキータは、テリョーシキナさんの優雅な貫禄がエトワールにぴったり、アスケロフさんの端正な容姿と正確な動きに惚れ惚れ。話題の新星マリアさんは期待通りの美しさに加え、難しい回転のコンビネーションも余裕そのもの!その強靭なテクニックに驚かされました。これから一体どんな風に変化していくのでしょう!!!群舞、ソリストの踊りはもちろん、可愛らしい衣裳もすべて堪能しました。
ベテランから若手まで層の厚さ、期待の新人もエキサイティングですが、特に男性ダンサーの強力な個性の違いが見事でした。もし劇場が近かったら、きっと全キャストを観たくて通い詰めてしまうことでしょう!また歴史あるマリンスキーバレエ団の一員として舞台に立つことをダンサー達が誇りに思っていること、それはものすごいエネルギーとなって客席までビンビン伝わってきて、本当に本当に感動的でした。
長いツアー、ダンサーたちの体力に感服です。みんなまさに「宝」です!
バレエとはなんて素晴らしい芸術なのだろう、思い出しては幸せな気持ちになる、そんな舞台でした。