toggle
引地佑介・中川真樹による東京都練馬区のバレエスタジオ。海外バレエ団での経験を生かした、個性を尊重する指導を致します。
2017-05-03

再会 03.May.2017


先日、私たちが在籍した「フィンランド国立バレエ団」が初来日ということで、オーチャードホールへみんなに会いに行って来ました。
4年振りの再会は一体どんな感じなのだろうと、期待と興奮が入り混じる気持ちだったのですが、予想に反して、それはまるで週末を終えて月曜に顔を会わせた時のように自然なものでした。見せて頂いた舞台リハーサルでは、マイクから聴こえてくる監督の聞き慣れた声に、本番前の高揚感がふわっと戻ってくるのを感じ、出番がもう直ぐ来るような錯覚を覚えたほど。例え立場が変わっても、自分の生きる場所だった劇場という空間を、改めて愛おしく感じたのでした。

バレエ団来日に当たって楽しみにしていたのは、在団中、最も濃密な時間を過ごしたバレエマスターとの再会でした。彼女の厳しい目に、リハーサルは常に戦いでしたが、だからこそ気がつけばいつも、思ったより遠くへ歩みを進められたのだと思います。そんな彼女に引地バレエの近況を報告すると、ツアーのオフ日に何とリハーサルを見てくれると言うのです!そこで、この夏コンクールに出場予定の生徒のヴァリエーションを指導して頂くことにしました。

レッスン開始、ポーズをしたその瞬間から細かい注意が飛びます。つま先、膝、ターンアウト、肘など身体のラインに加えて、呼吸、音楽性に至るまで、一挙手一投足、その妥協のない注意に、一瞬で自分が彼女とリハーサルしていた時へとタイムスリップした気持ちになりました。すべてを吸収しようと懸命に食らいつく生徒を見守りながら、私達も指導者として向上して行くために、時に風を入れることの必要性を痛感しました。人と人とが集うスタジオ、その瞬間どうすることが正しいのかに正解はありません。少しでも多くの引き出しを持つ為に、常に外へ目を向けて学び続けて行きたいと思います。

今度みんなに会う時はいつになるんだろうか、会うことはあるんだろうかと、ヘルシンキを飛び立つ飛行機の中でぼんやり思ったことを思い出します。そして再会は思ったよりずっと早くに実現したのでした。
次に会う時を楽しみに、みんなが元気で、そして幸せでいることを願って!

引地バレエコンクール

タグ:
関連記事