「ジャパングランプリ 2017」が、8/21から5日間に渡り新宿文化センターにて開催、引地バレエスタジオからも中学生の1名が初参加致しました。
私達が子供の頃にはなかったこのコンクール、どんな風なのか想像すら出来なかったのですが、予想に反してかなり穏やかな雰囲気に、まずとても驚きました。参加者のレベルは非常に高く、しっかりとした基礎に加えて、欧米人に負けない身体的条件を持っている子が多い印象でした。またリハーサル室で黙々と練習する姿からは、高い目的意識と精神の強さを感じ、次世代が着々と育っていることを嬉しく思ったのでした。
本来ならば、バレエ団のソリストが踊る作品を幼い頃から踊ることへの疑問は、正直いつも胸にあります。またコンクールがビジネス化しており、年間を通して全国でものすごい数が開催されている今の日本の現状も、何か腑に落ちない、おかしな気持ちになります。その真の目的を考えると、大事な生徒を手当たり次第出場させたいとは思いませんが、常に上を目指して行くために、今自分がどんなところに立っているのかを知ることも、時に必要だとも思うのです。上手にバランスを取りながら、みんなの夢に寄り添っていきたいと、指導者として思いを新たにする時間となりました。
余談になりますが、審査員の中に、ヘルシンキで同じ舞台に立たせて頂いた方のお姿が。さすがに歳を重ねてはいますが、相変わらずその素敵な姿に、とても懐かしい気持ちになりました。まだまだ新人だったその時の気持ちがふと蘇り、時を経た東京で、同じ客席に...しかも舞台と反対側に座っていることを思うと、何だかとても奇妙な感じでした。未来は本当に分からないものです。
Oliverさんの姿を見ながら、いつか、同僚が監督のバレエ団公演に出演する教え子を観に行く、何てことが起こったら素敵だな、と勝手に想像を膨らませてしばし楽しんだのでした。